読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Blooooog

music or NBA or eAt or ...

radiohead @summersonictokyo2016

radioheadのライブが大好きだ。

hail to the thiefツアーとin rainbowsツアーは日本の全公演に行った。

大学を休んだり仕事を休んだりどうにかやりくりして、夜行バスを使って全部行った。

そこで素晴らしい体験をしたし、そこで知り合った人たちとも仲良くなれた。

in rainbows大阪公演ではセットリストも貰えた(以来家宝にしてる)。

とにかくradioheadのライブに行く度に、楽しい思い出が増えていった。

 

2012年のフジロックは楽しめなかった。

モッシュピットで観ていたけれど最初の方で何か違和感を感じて、

途中からその違和感を拭い切れなくなって後ろの方に下がってしまった。

何より、違和感を感じている自分に戸惑っていた。

その戸惑いはずっと続いた。

今年のサマソニでのステージを観るまで。

 

01.Burn The Witch
02.Daydreaming
03.Decks Dark
04.Desert Island Disk
05.Ful Stop
06.2+2=5
07.Airbag
08.Reckoner
09.No Surprises
10.Bloom
11.Identikit
12.The Numbers
13.The Gloaming
14.The National Anthem
15.Lotus Flower
16.Everything in its Right Place
17.Idioteque

encore
18. Let Down
19. Present Tense
20. Nude
21. Creep
22. Bodysnatchers
23. Street Spirit

 

最初に思ったのは、曲間空け過ぎじゃない?ってこと。

自分が観た位置はアリーナ後方だったけれど、2曲目のdaydreamingが始る頃には早くも座り込む客がいた。

1曲目のburn the witchであんなに大騒ぎしてたのに?

フェスとは言っても単独公演と変わらない時間を割り当てられてるから、バンド側はもうそういうの気にしないのかな。

何を言われようがもう気にしないから自由に観てくれよっていう余裕なのかな。

 

て言うかもうradioheadは完全に大人になってしまった。

良くも悪くも。

個人的にこのバンド最大の魅力は苦心しながらも常に新しくて刺激的な事に取り組む姿勢とそれによってもたらされるスリリングさだと思っている。

king of limbsには迷いがあった。

その迷いとは「新しい事をやり続けなければならない」「ファンの期待をいい意味で裏切り続けるバンドでいなくてはならない」という強迫観念だったと思う。

でも今の大人になった彼らはもうその役割に疲れてしまった。

と同時に彼らは自信をつけた。

特にトムヨーク。

トムヨークのぎこちなかったダンスはいつからか確信に満ちてシャープでキレのあるものになった。

かつては揺らいでいたメロディは敢えて崩す事はあるもののそれすら計算されたものになった。

そして彼らは今までのradioheadでいることを諦めた。

「諦め」という言葉は聞こえが悪いかもしれないが、「明らかにする」というのが本来の意味だそう。

つまり今の彼らはもうかつての自分たちの役割に興味を失ってしまったんだろう、と

フジロックの時は丁度その狭間にいて葛藤があったのだと思う)。

大人になり、人間としてもバンドとしても成熟して、今の自分達がやりたいと思える音楽を発見した。

それがa moon shaped poolというアルバム。

このradioheadは新しい。

今までの彼らが取り組んでいた新しさとは違うニュアンスの新しさ。

無理をしていない、すごく自然体で、

今までも手元にあったのは知っていたけれど、それをやるという発想そのものがなかった。

物語で言えばエンディング後のストーリー。

そんな印象を受けた。

そんな新しい新しさに踏み出したradioheadが大好きだ。

 

ライブでの演奏はというと、新譜からのいくつかの曲はまだ完全にモノにしていない。

どちらかと言えば少し前の曲

reckoner、bloom、gloaming、lotus flowersが特に素晴らしかった。

特にbloomなんて、とんでもなく素晴らしくて腰を抜かしそうだった。

あれこそ現代のロックの最新版でしょ。

美しくて儚くて何かが崩れていくようで再構築されつつ全てが昇華されていくような。

全てがあるべき場所から来てそこに戻っていくような(ってそれは別の曲か)。

なのにオーディエンスの反応と言ったら!

何で?この曲で、驚かないで、踊らなくてどうすんのよ?

何だよあの反応の少なさは。

creepなんかどうでもいいんだよ。

bloomだよ。

bloomが終わった瞬間こそこの日一番の感動と興奮があったじゃん。

ちなみにbloomという曲はgloamingのライブ版のアップグレードバージョンだと思っている。

gloamingの、コンピューターがぶっ壊れてジャズのような何かが勝手に鳴っているリズムの延長線上に、残酷さと美しさとダイナミクスを取り込んだのがbloomという曲。

少しだけ優しさと不安を残して。

 

そう言えばrockin onのライブレビューで

何故トムヨークは奇声を発しまくるキャラに変貌したのか

みたいな事が書いてあったけど、

ok computerの頃からずっとそうだったじゃん。

今までどれだけこの人たちに稼がせてもらったか分からないんだからちゃんと観ろよと思った。

 

creepは完全に蛇足だと思ったけれどlet downは嬉しかった。

今回のツアーで何度かやってたのでまさかとは思ったけどびっくりした。

後半枝分かれするメロディの好きな方を歌ってくれた。

まさか30すぎて10代の頃の夢が叶うとはね。

 

2003年と2016年のcreepの意味は全く違う。

あの時、creepをやるなんて直前まで誰一人(恐らくバンドメンバーさえも)思ってなかっただろうし、だからこそ価値があった。

今回のcreepは、レディオヘッドおじさんから腹を空かせた可哀想なオーディエンスに向けての優しいプレゼントだった。

それほど彼等も丸くなったってことだね。

あのイントロが鳴り、自分の周りにいた座り込んでた人々が総立ちになった瞬間、

何だか自分が間違った場所に入り込んでしまったような気分になった。

おいおい、bloomで何故これが起こらない?

identikitでもgloamingでもpresent tense起こらなかったのに?

何だか自分がすごく年老いてしまった気持ちになった。

でも実際その通り。

2003年、クソみたいな18歳だったのに2016年は32歳になってる。

その間、頭の中には常にradioheadの音楽が鳴っていた。

ありがとう。

やっぱり大好きだ。